京大病院小児科に「楽しい時間」をプレゼントしていらっしゃるボランティアグループ
にこにこトマトさんのニュースレターに04年10月からへなちょこなコラムを書かせていただいています。コラムのタイトルは「もう一人の主役」。前代表の神田さんがつけてくださいました(嬉しい)。
「ぼくにはサンタさん来なかったよ」
12月になりました。この原稿を書いている時、街も病院もすっかりクリスマスの空気です。小児病棟にもサンタさんの慰問があったり、入院して頑張っている子どもたちにクリスマスプレゼントが届いたり、そんなわくわくするイベントのニュースも耳に入ります。
ある年のクリスマス、きょうだいさんがこんなことを話してくれました。「あのね、昨日〇〇ちゃん(入院中のお子さん)のところにサンタさんが来たんだよ!」わあ、すごいね、よかったね、と返すと、その子は「でもね、ぼくにはサンタさん来なかったよ」と教えてくれました。
私の家も、心臓病の弟には親の会の方々の手作りの可愛いクリスマスカードが毎年届きましたが、私に届くカードはありませんでした。病気でがんばっている弟にご褒美があることは姉の私にとってもうれしいことだったので、不公平だと感じたことはありませんでしたが、しぶたねの活動できょうだいさんに小さなクリスマスプレゼントを渡すとき、「これは入院してる〇〇ちゃんにあげる!」と言って、その子の分ともうひとつ用意しないと自分には受け取らない子をたくさん見ていると、家に2人以上「子ども」がいるのなら、どちらの子にもプレゼントがあるといいなと思ってしまいます。
しぶたねでも、出会ってきたきょうだいさんたちに送っているクリスマスカードを、病気をもつ兄弟姉妹の分もすべて送ることはできていないので、プレゼントやカードをきょうだいにも、ということが難しい事情はわかりますし、無理をしてほしいと思っているわけでもありません。ただ、病気をもつ子どもの陰に、こんな風に感じているきょうだいがいるかもしれないということを少しだけ想像していてもらえたら、きっときょうだいを取り巻く世界が少しあたたかくなるんじゃないかなと思うことがあります。
たとえば小児病棟に来てくれるサンタさんが廊下で待っているきょうだいにもにっこりしてくれるような^^
病気をもつ子どもも、きょうだいも、病気であったり、病気を抱えてがんばる兄弟姉妹がいる状況だったり、の前に、「子ども」であることを大切にされてほしいなと思っています。すべての子どもに優しいクリスマスが来ますように。