12月2日、パシフィコ横浜で行われた、がんの子どもを守る会の公開シンポジウム、小児がん経験者による企画「私たちのおもいと力-共に生きるみらいへ-」。
小児がんに関わる人からのコーナーで、5分だけ「きょうだい」の立ち位置から発表させていただきました。
5分なので、読み原稿がないときっと「あわあわ」言ってるだけで終わってしまうだろう…と、久々に原稿つくったので、置いておきます。
子どもが小児がんになった時、ご本人も、親御さんも、目の前のことをただ一生懸命頑張るしかなくなります。それだけで精一杯で、きょうだいに一時的に目が足りなくなることもあります…。
誰かのせいとか、誰かの頑張りが足りないとかということではなく、
病気の子にサポートが必要、
親御さんにもサポートが必要、
それと同じように、きょうだいにもサポートが必要です。
病気の子どもと親御さんの闘病生活をジェットコースターに乗ることにたとえるとしたら…
きょうだいは、少し離れて一番後ろの席で、前も見えず、心細く、しがみついているかもしれません。
きょうだいさんたちは、
何が起こっているのかわからず不安でいっぱいだったり、
自分のせいできょうだいが病気になったのではと心配していたり、
背伸びして小さな体で頑張りすぎていたり、
だれも自分を見てくれない気持ちが積み重なって、
自分を大切にする心が弱ってしまったりもします。
きょうだいたちも、病気の子も、同じように、
たった一人の大切な子どもとして、
安心して、愛されて、
だれかに支えられ、だれかの支えになり、
明日が来るのを楽しみに生きてほしいと願っています。
私たちは9年前に立ちあげたボランティアグループです。
病気の子どものきょうだいたちに集まってもらって、
主役になっておもいきりあそぶ、ごほうびになるような1日を企画したり、
病院の廊下で、面会に行く親御さんを待っているきょうだいさんと一緒に過ごす活動をしたりしています。
でも、もっとちいさなこと、
たとえば、看護師さんやお医者さんがにっこり微笑みかけてくれたとか、
名前を覚えてくれたとか、
お母さんお父さんが頭をなでてくれたとか、
病院から帰ってきて「ただいまー」とぎゅっとしてくれたとか、
そんなことがすごく大切なことなんだと子どもたちが教えてくれました。
いきなり補助輪なしで難しい自転車に乗るような大変な経験をしなければならない子どもたちを、みんなで少しずつ支え、子どもから元気をもらう、
これが自然な社会になればと願っています。