「ファイザープログラム 心とからだのヘルスケアに関する市民活動・市民研究支援」で助成いただき、2019年度から「病気や障害のある人の「きょうだい」の経験共有の場「シブパネル」開発事業」を3年にわたってみんなで進めてきました。現在作成中のガイドブックに掲載しきれなかった情報を掲載していきます。
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「シブパネル」は、病気や障がいのある人の「きょうだい(sibling)」によるパネルトークです。
この投稿では、アドバイザーとして事業にご協力くださっているSocial Change Agency代表理事の横山北斗さんに、「シブパネルの開催とそれを支えるガイドラインの策定が持つソーシャルアクションとしての意義」についてご執筆いただいたコラムをご紹介します。
シブパネルの開催とそれを支えるガイドラインの策定が持つソーシャルアクションとしての意義は以下の3点にあると考えました。
1.きょうだい当事者の声を社会に届けるアドボカシーの機能があること
過去、さまざまな当事者の声が社会を変えてきた歴史を振り返った時、シブパネルにおいて、さまざまなきょうだいの方たちがご自身の経験を語り、社会にメッセージを発する意義はとても大きいものだと考えます。但し、それは以下2点があってこそであると考えます。
2.貴重な経験を開示してくれるパネラーの安心安全が守られていること
ご自身の価値観や生い立ちに密接な影響を与えている経験を語ることにはエネルギーがいることです。語ることで傷つくことや、聞き手の期待に合う言葉を選んでしまい後悔することもあるかもしれません。言葉を語るパネラーの方自身に負担をかけるという可能性もあるからこそ、パネラーの方々が語ること場が安心安全の場であることが必要不可欠であると考えます。
3.場に多様性があり価値の押し付けをしないこと
自分の経験を話すパネラーの方が、企画側や他者の期待によって語る言葉を強制されないことはとても大事なことです。このような前提があることで、シブパネルの場自体が、排除し合わない、インクルージョンな場の体現することにつながるのではないかと思います。
さいごに
シブパネル開催における上記1-3を備えた「ガイドライン」の策定は、さまざまな当事者の方たちが経験を言葉にする/言葉を社会に発信することを助けるものになると考えます。それゆえ、きょうだいのみなさんに限らず、さまざまな経験を持つ当事者の人たちが、安心安全が保たれた場で、語り、インクルージョンを体現する場を通して社会にメッセージを発すると言うソーシャルアクションを為す上で、「ガイドライン」はその助けになってくれるとても意義あるものであると思っています。