京大病院小児科に「楽しい時間」をプレゼントしていらっしゃるボランティアグループ
にこにこトマトさんのニュースレターに04年10月からへなちょこなコラムを書かせていただいています。コラムのタイトルは「もう一人の主役」。前代表の神田さんがつけてくださいました(嬉しい)。
これから生まれるきょうだいさんに
2016年の秋から始めたシブリングサポーター(病気や障がいをもつ子どものきょうだいたちの応援団)を増やしてつながる研修ワークショップの修了人数が297名になりました。300人が目前になり、全国に(西は愛媛県から北は秋田県まで!)きょうだいたちを応援したいと思う人がいることが見えるようになったこと、とても嬉しく心強く思っています。
重い病気をもつお子さんの親御さんからのご質問に「2人目を産みたいけれど、病気の子どものきょうだいとしての苦労をかけると思うとあきらめた方がいいんでしょうか…」という話題がここ数年増えたように感じています。「大丈夫、心配ないですよ!」と無責任に言うことはできないのですが、せっかくもうひとり大切なお子さんを迎えたいと思っておられるなら、もっと社会で応援ができればいいのにと考えてきました。シブリングサポーター研修を始めて、まだ全然「大丈夫!」とは言えないけれど、1年に100人くらい、全国にきょうだいたちを支えたいと思ってくれている人を増やしていますよ、とお話しできるようになりました。小さな小さな一歩ですが、少しでもきょうだいたちの育つ環境があたたかくなっていく希望につながればいいなと思っています。
先日とある親御さんの会の方々に呼んでいただいた時に、あるお母さんが可愛い赤ちゃんを連れてご参加くださってました。「この子きょうだい児なんです。もう1人子どもがほしいけれど、苦労をかけるのではとずっと不安で産めなくて…。でも、どんな子も、生まれてきてだめな子はいないなって思って産むことにしたんです。7年悩んだから7歳差になっちゃいました。」とお話くださいました。にこにことご機嫌の赤ちゃんを見ながら、ああ、この子が生まれてきてくれて私すごく嬉しいな、ありがとう、と、じーんとしました。
大人になったきょうだいの中には、「障がいをもつお兄ちゃん(お姉ちゃん)の面倒をみてほしくてあなたを産んだのよ」と言われ、自分の存在意義がわからなくなってしまうつらさを抱えて育ってこられた方もたくさんおられます。親御さんの希望や安心が増えることで、そうではない方の気持ち、例えばきょうだいさんが生まれてきてくれて嬉しかったこと、きょうだいさんを可愛いな、愛おしいな、と思う気持ち、そちらが上手に伝わるといいな、ということも考えます。
はじめましてのきょうだいさんと出会う時、毎回本当にうれしくて、いてくれてありがとう、お母さんお父さんこんな可愛い子を産んでくださってありがとうの気持ちでいっぱいになります。きょうだいも、病気をもつ子どもたちも、いっぱいいっぱい歓迎されてほしいです。