もう1人の主役(59)

京大病院小児科に「楽しい時間」をプレゼントしていらっしゃるボランティアグループ
にこにこトマトさんのニュースレターに04年10月からへなちょこなコラムを書かせていただいています。コラムのタイトルは「もう一人の主役」。前代表の神田さんがつけてくださいました(嬉しい)。

「兄弟姉妹を亡くした子どもに向けて」
にこにこトマトさんを始め、たくさんの病院や保健所、きょうだいさんを大切に思う方々の手を経て全国のきょうだいさんに届けることができている「きょうだいさんのための本 ―たいせつなあなたへ」(ピンクのリボンの表紙が目印)は、先月また増刷して累計27,000冊になりました。きょうだいさんの誕生日プレゼントに、入院中の兄弟姉妹とお母さんをお家で待っているきょうだいさんに、と、たくさんの方が使ってくださり、先日はついに、子どもの頃にこの本をお母さまからもらって大事に持ってくれていた大学生の方が活動にボランティアさんとして参加してくださるという夢みたいなことも起こりました。
そして今年3月、一般財団法人冠婚葬祭文化振興財団さまに印刷費を助成していただき、病気で兄弟姉妹を亡くした子どものための「きょうだいさんのための本②―おにいちゃん、おねえちゃん、おとうと、いもうとを亡くしたあなたへ」も完成し、きょうだいさんのための冊子が2種類になりました。世の中に「きょうだいのための場、ひと、もの」を増やしていくことが私たちの目標です。一歩進むことができました。
最初に作った25,000冊は、全国の小児科やNICU、病弱教育部門をもつ特別支援学校、支援団体など1240カ所と、「うちのきょうだいに読ませてあげたい」「お友達のおうちのきょうだいさんに渡してあげたい」と個人で問い合わせてくださったたくさんの方々に送ってあっという間になくなり、さらに5,000冊増刷したところです。
冊子を手にした高校生のきょうだいさんが「いい本だねえ。僕たちきょうだいさんには当たり前の話なんだよね。もっと小さい時に読みたかったな。」と話してくれたり、小学生のきょうだいさんが泣きながら読んで「宝物にする」と、少しずつページに書き込みをしてくれているそうです。病院のスタッフの方から「きょうだいのためにできることが増えてうれしい」と優しいお言葉もいただきました。
兄弟姉妹を亡くすというつらい経験をしたきょうだいさんたちが、つらい中でもひとりぼっちじゃないように、がんばりすぎてしまわないように…周りの大人がきょうだいさんを大事に思っている気持ちを伝えるきっかけに、きょうだいが亡くなった兄弟姉妹の話をしてもいいんだと感じられるきっかけに、使っていただけたらと思っています。
きょうだいさんに届く分は無料で送付しています。しぶたねホームページ下の問い合わせフォームからご連絡ください。同じページでPDFも公開しています。https://sibtane.com